数字:10
支配星:土星
キーワード:常識、社会的成功、型にハマる、冷静、責任感
山羊座の神話
山羊座が描く下半身が魚、上半身が山羊の姿は、牧神のパンが魚に化けそこなった姿に由来しています。
パンは、羊飼いと羊の群れを監視する牧畜の神で、下半身は山羊、上半身は人間であるものの山羊の角と耳が生えており、顔は髭に覆われていました。
母親はニンフ、父親はゼウス、あるいは伝令の神ヘルメスだと言われています。
パンを産んだ母親は息子の奇妙な姿を見て、パンを置き去りにしますが、すくすくと育ったパンは、とても陽気で愉快な性格となりました。
得意なのはシュリンクスという葦笛。
実はこの葦笛には、パンが恋したニンフ、シュリンクスがパンを拒絶し水中のニンフに助けを求めた結果シュリンクスは葦へと姿を変えることとなり、パンはこの葦を摘んで、笛を作り、彼女の名である『シュリンクス』と名付けたという物語があります。
パンは、性豪としても有名ですが、見た目ゆえか、軽薄な雰囲気ゆえか、はたまた狙いが悪かったのか。
こういった物語がいくつか存在しています。
そんなパンですが、山羊座の伝承へと繋がるある日、パンは神々が集まる宴に参加していました。
神々は自身の得意なことをそれぞれ披露し、宴は大いに盛り上がります。
そんな楽しい宴会の最中。
急にどこからともなく不穏な空気が流れはじめ、怪物テュポンが姿をあらわしました。
テュポンは女神ガイアから生まれた上半身は人間で下半身は蛇の怪物で、ゼウスに比肩するほどの実力を持つ最強の存在です。
テュポンの登場に神々は驚き、それぞれ動物の姿に化け、逃げ始めました。
その中でパンは、恐慌のあまり上半身が山羊で下半身は魚という醜態をさらしてしまいました。
やがて、この騒動が収まり、戻ってきた神々がパンの奇妙な姿を見て笑います。
そこでゼウスは
とそのままパンを空に上げ、上半身が山羊、下半身が魚の姿の山羊座となりました。
しかし、この山羊座の姿は、山羊は高山動物、魚は海を行くため、低いところでは海底から、高いところでは山の頂まで到達できる姿だとも言われています。
山羊座の太陽を持つ人の性格・特徴
太陽は、『自分がどう生きたいか』『何を目的に生きるか』といった外に拓くエネルギーを持っています。
簡易的な12星座の診断では、この太陽を基準に性格から向き不向き、恋愛の傾向まですべてを考えますが、実際は基礎の性格というよりも
- 目的意識がどこに向くか
- どの方向にエネルギーを注げば人生を開拓できるか
をあらわしていると考えてください。
また、人生を切り拓こうという意識が弱い方は、太陽星座の特性よりも無自覚の意識をあらわす月星座の影響を強く受けます。
山羊座の太陽を持つ人は『社会的成功』がキーワードとなります。
常識に則った形で社会的に認められることを良しとします。
ですから、山羊座の太陽を持つ人の自己実現目標と言うのは、時代によって変わっていきます。
その時代の『型』にハマることで、自分自身を打ち出し成功の流れに乗ろうとしますから、例えば残業をたくさんすることでやる気のある社員と見なされ評価される場であればそのように振る舞いますし、時間内に仕事を終わらせて定時で帰ることこそできる社員の姿だと言われれば、そのように振る舞います。
なぜなら、山羊座の太陽が常に目指しているのは『社会的な成功』だからです。
これは、単なる成功とは違います。
その時代の型に合い、誰からも『常識的で知性溢れるスマートな人だ!』と言われることを望むため、自分のやりたいようにやる、自分の思う努力をする、ではなく、社会の型にハマった努力をするからです。
破天荒なことはしないため、控え目な人だと思われることも多いですが、内心は野心に燃えており、周囲に与える印象以上に権力やステイタスにこだわりがあります。
悪く出ますと、型にハマる態度から大成しづらい側面が出ますが、その代わり失敗も少ないです。
元々が大器晩成型のきらいがあるため、地道に積み重ねていった先での大成を目指す方が向いていますし、当人としてもその方が気が楽でしょう。
ただ、一度手にした権力を手放すのが苦手なところがありますので、しがみつくべきではないものにしがみついていると感じたら、注意が必要です。
本来は、時代の型にハマるのが上手いですし、責任感もあるので、どこにいっても周囲の状況に合わせてその場での地位をコツコツ積み上げていくのが得意ですから、変化を恐れる必要はありません。
0.00~14.99に入る人
山羊座の性質を身に着けることに力を使います。
そのため、山羊座の太陽が示すように『マナーのしっかりした人でありたい』『着実に成功したい』といった欲求そのものが強い状態です。
度数が若ければ若いほど、ひとつ前の『射手座』の影響から抜け切れていないので、「常識的でありたい」と思いつつも、どこかワールドワイドな感覚を持っており、狭い社会の中では非常識だと取られてしまう部分が出てきます。
15.00~15.99に入る人
山羊座らしさが失われやすい度数です。
山羊座の対角線上にある『蟹座』の影響を受けるようになり、山羊座の太陽の15度ですと、蟹座の持つ『プライベートへの欲求』が入り込むようになります。
その結果、社会的成功に意識が向いているはずが、どこか「もっと自分の家族を大事にしたい」「プライベートを充実させたい」といった気持ちが入り込むようになり、社会的成功とそれを目指すにあたっての重圧に耐えづらくなり、ストレスに押しつぶされやすくなります。
16.00~29.99に入る人
山羊座の性質を使うことに力を使いますので、常識を重んじ、着々と堅実な成功を手にする人が多くなります。
特に20度~25度は山羊座の太陽の絶頂期とも言えますので、山羊座の顔がそのまま出てくると言えるでしょう。
ただ、後ろの度数になればなるほど、次の星座の影響も受けはじめるので『水瓶座』のように、『小さな常識に囚われたくない』といった欲求が強まってきます。
山羊座の月を持つ人の性格・特徴
月は、『無意識の領域』『無自覚的な人格の基礎』をあらわします。
本質的な性格は太陽よりも月が担っています。
ただ、月の意識の発達時期が0歳~7歳であることから、基礎的な人格でありながらも当人にはその自覚がない、ということも多いのです。
本人よりも家族や長く付き合っている恋人など、あなたにとって近しい存在の方があなたのこの性質を強く感じていることさえあります。
月は、その人の『無意識的な心』なので、月の意識に沿った生き方をすると落ち着く、気持ちが楽になる、といったことが起こります。
ただし、人生を切り拓いていくのは『太陽』ですから、月の影響が強く出た状態から抜け出さないでいると人生は変化のないものとなっていく側面も。
その分、穏やかな気持ちで生きられるので良し悪しはその人次第でしょう。
結婚して家庭に入り、外で働くことを辞めた女性は、太陽の欲求を配偶者の男性に任せ、自身は月の欲求で生きる、ということが起こりやすくなります。
山羊座の月を持つ人は『常識』がキーワードとなります。
山羊座自体が、責任感が強く、その場のルールをしっかり守ることを良しとしますから、山羊座が無意識の月に来ますと、自然と『常識的な振る舞い』を大事にするようになります。
真面目な性質を強く持ちますから、子供の頃はしっかり勉強に打ち込んだ人も多いはずです。
あるいは、義務を果たさない人に権利はない、とばかりに勉強が嫌いでもテストでは良い点を取って帰ってくる、という人もいるでしょう。
感情的感覚よりも論理的思考能力が発達しやすく、子供っぽさを良しとしない傾向があります。
また、そうなる裏には、社会的成功を求める山羊座の影響があり、常に『どちらが社会的に優れているか』を考えているので、必然的に常識を身に着けた大人の振る舞いを選択し続けるのです。
悪く出ますと、自分の中にある常識に縛られて、身動きが取れなくなります。
月が0歳~7歳という、ただでさえその後の人格に影響を与える年齢で、そこに常識を大事にする山羊座が来ますから、幼いころに無意識に身に着けた常識に縛られ、新しい価値観へのアップデートが上手くいかなくなる傾向が出てきます。
自分の考える常識の中にいることで心が安らぎますから、同じ価値観を持つ人とのコミュニティを大事にしすぎて、古い価値観に縛られてしまうのです。
『常識は時代によって変わっていく』を胸に刻んでおくと、どの時代の常識にも素早く適応できる人格になれます。