数字:1
支配星:火星
キーワード:自我の目覚め、活動的、好戦的、新しい経験への欲求。
牡羊座の神話
牡羊座が描く羊は、ゼウスの遣いである空飛ぶ金色の羊が由来となっています。
ギリシア中部ボイオティア地方にアタマスという王とネペレという妃がいました。
ネペレはゼウスがヘラに似せて象った雲から生まれた雲の精で、ヘラの命によって王アタマスはネペレと結婚し、二人の間にはプリクソスという息子と、ヘレという娘が生まれます。
しかし、二人の母であるネペレは二人を置いて天界へと帰ってしまいます。
その後、アタマス王は、テーバイの王カドモスの娘であるイノを妃に迎えました。
継母であるイノは、はじめのうちは血の繋がらない子供であるプリクソスとヘレを可愛がっていましたが、王と自身の間にレアルコスとメリケルテスという息子が生まれたことで事態が一変します。
(最初から憎んでいたという説もアリ)
そうして、イノは前妻の子である二人に悪意を募らせ、ある計画を立てます。
イノは土地の女たちに畑に蒔くための種を火であぶるように指示し、作物が実らないように細工します。
当然、蒔かれた種から芽が出ることはありませんでした。
この事態に
とアタマスはデルフォイの神託を仰ごうと使者を送ります。
しかし、そこにいたのはイノです。
イノは嘘をつき(使者を買収したというパターンもアリ)、偽のお告げを教えます。
使者はこの神託を王へと告げ、前妻との息子であるプリクソスはゼウスへの生贄として祭壇へと捧げられてしまいます。
ついに、プリクソスの命が絶たれようとしているその時。
どこからともなく金色の羊が現れ、プリクソスと妹であるヘレを背に乗せ飛び立ちました。
二人の本当の母であるネペレがゼウスに頼んで、助けを送ってもらったのです。
(ヘラクレスが助けに来た、ネペレが金色の羊を連れてきた、ネペレが送った、という説もアリ)
しかし、この旅の途中で悲劇が起きます。
妹であるヘレが羊から落下し、海へと落ちてしまったのです。
(へレースポントス、現在のダーダネルス海峡の名前の由来)
最後までヘレは見つかりませんでした。
黄金の羊はプリクソスだけを乗せて、その場を離れ、黒海を超え、コルキスという待ちへとたどり着きます。
コルキスという国は荒っぽく温かい国には程遠いという評判でしたが、コルキスの王アイエテスは黄金の羊に乗ってきたプリクソスは特別な子だと確信し、何と温かく迎え入れてくれたのです。
プリクソスは、感謝の気持ちとして黄金の羊をゼウスに捧げ、残った毛皮を王に捧げます。
黄金の羊はその働きを認められ、天へと昇り牡羊座になりました。
星である牡羊座が後ろを振り返っているのは、ヘレを落としてしまったからだと言われています。
牡羊座の太陽を持つ人の性格・特徴
太陽は、『自分がどう生きたいか』『何を目的に生きるか』といった外に拓くエネルギーを持っています。
簡易的な12星座の診断では、この太陽を基準に性格から向き不向き、恋愛の傾向まですべてを考えますが、実際は基礎の性格というよりも
- 目的意識がどこに向くか
- どの方向にエネルギーを注げば人生を開拓できるか
をあらわしていると考えてください。
また、人生を切り拓こうという意識が弱い方は、太陽星座の特性よりも無自覚の意識をあらわす月星座の影響を強く受けます。
牡羊座の太陽を持つ人は、『新しい体験』『自我』がキーワードとなります。
人生における開拓者としてのエネルギーを人一倍持ち、とにかくチャレンジ精神が旺盛です。
猪突猛進とも言える姿勢で果敢に人生を開拓していきます。
他の星座なら、「自分の人生の目的は●●にあり」と目的を決めてから走る場合が多いですが、牡羊座に関して言えば掲げている目的・目標が『自己の証明そのもの』なので、細かく「これで成功したい」「あれで成功したい」といった欲求は低めです。
とにかく『自分しかできないことなら何でも良い』というところがあります。
向こう見ずなところがあり、思い立ったが吉日とばかりに計画も立てずにどんどんチャレンジしていく上に、『未開拓のもの』への興味が人一倍強いので失敗も多いです。
ですが、牡羊座のエネルギーは常に前に向いているので、過去の失敗にくよくよ悩むことはほとんどありません。
失敗しても「新しいことに挑戦する機会だ!」とまた休むことなくチャレンジしていく、熱しやすく冷めやすいタイプ。
興味の対象はすぐに移りますが、それこそが牡羊座の太陽を持つ人のエネルギーの使い方なのです。
また、他者との関りに重きを置くタイプではありませんので、基本は自分一人の力で成し遂げることに興味を持ちますし、その方向に適性があります。
正義感が強く、自己主張も強いので、自然とその場のリーダーとなりやすいですが、他者と上手くやることに時間を使うというタイプではなく、いわば「なんか好きなことしていたら勝手に周りに人がいた」といったことになりやすいです。
リーダーになりやすいですが、リーダーに適性があるかは別問題なのです。
もし、リーダーとしてやっていくなら、「俺の背中についてこい」といった少し独裁的なぐらいの方が自身の力を発揮できます。
牡羊座の太陽のエネルギーを持つ人は、新しい挑戦をし続けることが人生を拓く鍵なので、下手にグループに属して細々何かをやるというよりは、独創的なアイディアや自分一人であれこれ挑戦できる場に身を置いた方が人生がひらけるでしょう。
その過程で「向こう見ずすぎる…」と離れていく人もいるでしょうが、牡羊座の太陽を持つ人は、勇敢な精神と、失敗してもへこたれない強さ、誰も挑戦したことのないことが好き、という特性を活かすことが人生を切り拓くコツなので、気にしなくて良いのです。
0.00~14.99に入る人
牡羊座の性質を身に着けることに力を使います。
そのため、牡羊座の太陽が示すように『自我の形成』や『チャレンジ精神を大事にしたい』といった欲求そのものが強い状態です。
度数が若ければ若いほど、ひとつ前の『魚座』の影響から抜け切れていないので、「他者に影響を受けず、自分の力やエネルギーだけを大事にしたい」という気持ちを持ちながらも、どこか人に流されやすい部分が出てきます。
15.00~15.99に入る人
牡羊座らしさが失われやすい度数です。
牡羊座の対角線上にある『天秤座』の影響を受けるようになり、牡羊座の太陽の15度ですと、天秤座が持つ『客観的な意識』が入り込むようになります。
その結果、新しい体験を求める意識の中にどこか「他者から見てこれは、新しい挑戦に見えるだろうか」といった目線が入り込むようになり、自己を打ち出す欲求の裏に牡羊座らしくない感情が入り込みやすいです。
16.00~29.99に入る人
牡羊座の性質を使うことに力を使いますので、とにかく挑戦の炎を燃やし続ける人が多くなります。
特に20度~25度は牡羊座の太陽の絶頂期とも言えますので、牡羊座の顔がそのまま出てくると言えるでしょう。
ただ、後ろの度数になればなるほど、次の星座の影響も受けはじめるので、『牡牛座』のように挑戦ばかりではなく『手に入れたものを所有し続けたい』といった欲求が強まってきます。
牡羊座の月を持つ人の性格・特徴
月は、『無意識の領域』『無自覚的な人格の基礎』をあらわします。
本質的な性格は太陽よりも月が担っています。
ただ、月の意識の発達時期が0歳~7歳であることから、基礎的な人格でありながらも当人にはその自覚がない、ということも多いのです。
本人よりも家族や長く付き合っている恋人など、あなたにとって近しい存在の方があなたのこの性質を強く感じていることさえあります。
月は、その人の『無意識的な心』なので、月の意識に沿った生き方をすると落ち着く、気持ちが楽になる、といったことが起こります。
ただし、人生を切り拓いていくのは『太陽』ですから、月の影響が強く出た状態から抜け出さないでいると人生は変化のないものとなっていく側面も。
その分、穏やかな気持ちで生きられるので良し悪しはその人次第でしょう。
結婚して家庭に入り、外で働くことを辞めた女性は、太陽の欲求を配偶者の男性に任せ、自身は月の欲求で生きる、ということが起こりやすくなります。
牡羊座の月を持つ人は、『本能のままに生きる』がキーワードとなります。
牡羊座自体がエネルギッシュで、常に楽しいこと、刺激のあることを追い求める大胆な性格です。
それが月という無意識の場所に出る場合、何かをしていないと落ち着かない、とにかく新しいことをしている時間が落ち着く、といった形で出てきます。
リラックスというとお家でまったり…というのが一般的な解釈ですが、牡羊座の月においては、新しいことを考える、独創的なものを作る、といったエネルギーの発散がリラックスに繋がります。
勝ち気な性格でもあるので、ライバルがいるのも良い刺激になるでしょう。
ただ、人の心に機微には鈍感で無防備なところがあり、他人の悪意に気づかないことまであります。
ライバルの存在はプラスに働きますが、その相手が牡羊座と同じようにストレートにガチンコ勝負を好くなら良いですが、戦略的に罠を張ったり、他人を味方につけて有利に動こうというタイプですと、厄介ですので近寄らないのが吉。
周囲からすると、明るく親しみやすい正義漢である反面、あまりにストレートに感情を表現するのでハラハラさせられることも。
悪く出ると、感情が抑えられない子供っぽい人になりがちです。
ただ、牡羊座自体は怒りを抱いていもそれが継続するわけではなく、次に会った時にはケロッとしているということも多いので、それをありのまま受け止めてくれる相手といるか、自身の独創的なエネルギーを趣味で昇華すると、良いでしょう。