易占いとは、古代中国に伝わる古い書物で、かの有名な『孔子』を始祖とする儒教の基本書籍『五経(詩経・書経・易経・春秋・礼記)』の経典のうちの一つ『易経(えききょう)』を基にした占術です。
易経とは自然の法則から人の一生の浮き沈みといった普遍的な道理を集約し、それらを64のタイプ(六十四卦)に分け、それ等から成る人生についての教えを説いた書物です。
易占いの原型は人類が狩猟生活をしていた頃まで遡りますが、現在使われている『易占い(周易)』は約三千年前の『周』の時代に完成されました。
当時の中国の帝王は、天変地異から戦乱、飢餓に至るまで、自らの国の民を守るためにこの易を用いており、『予言の占術』として活用しており、それゆえ、周易(易占い)そのものが『帝王の学』とまで呼ばれる由緒正しき占術です。
いわば『転ばぬ先の杖』『保身の術』を明確に体現した占いだと言えるでしょう。
ゆえに『経営者』や『事業の独立を考える人』といった『帝王学』を学ぶ人に現代でも広く愛されている由緒正しき『卜術(偶然は必然であるという占術)』です。
もちろん、国や事業の未来だけではなく、個人の明日の行方から恋愛を占うことにも使えます。
現代では『易占いのやり方』といった簡易な技術書がたくさん出ていますので、初心者でも簡単にできると思われてしまいがちです。
ですが本来、元となった易経の原文はかなり難解な漢文であり、儒教の五経に含まれていたことからも分かる通り、哲学的な要素がこれでもかと散りばめられているため、実際に易者として周易を使いこなし正確に遠い未来を予言するためには、人生経験、感受性、常識、教養、実践、これらすべての要素が必要だと言われています。
なので、この後紹介する無料占いを含め、ネット上の易占いは残念ながらあくまで『あなたの中に眠る本能的な予知能力を少しだけ引き出すに留まるもの(予知能力は本来誰しもが持っています)』であり、プロのする易占いの精度とは比べ物になりません。
周易はハッキリしたYES/NOを見るのが得意で下記のような鑑定に適しています。
周易で見ることができるもの
- 彼と付き合うことができるか
- 彼は私のことが好きか
- 自分に××の才能はあるのか
- 個人事業主になって成功できるか
ただし、結果次第とはいえ
という答えが返ってくることもあるくらい驚くほど『ハッキリ、キッパリ』なので、
くらいの覚悟がないと、気持ちが落ち込むこともあるので注意してください。
厳しい言葉は聞きたくない、という場合はオラクルカードのような占術が向いています。
周易と断易の違い
周易と断易はどちらも中国発祥の占いで『易』の名前が付くため、混合されがちですが、周易と断易は別物です。
また、一般的に『易』というと『周易』を指します。
なので、このページでも『周易』を解説していきます。
周易も占いの中ではハッキリ出るタイプの占いですが、『断易』は、『断』の言葉通り周易以上に『断定的』なので、
- 吉凶
- 時期
共に恐ろしいほどハッキリ出ます。
例えば、
という質問に対して、周易はYES/NOを出しつつも
「どう考えるべきか」
という哲学的な助言が最初から含まれますが、断易は
といった感じで占者によるとは言え、基本はとにかく『YES/NOをはっきりズバッと出す』占いです。
それゆえ、断易は周易以上に多くの日本人には合わず、日本ではあまりメジャーではなく、扱える占者もあまり多くありません。
易占いの基本
易占いでは
自然と人生を支配する『八つの要素』に文字と形を与えたものを『小成八卦(しょうせいはっけ)』と言い、この八つの要素を
- 上の卦である『外卦(がいか)』
- 下の卦である『内卦(ないか)』
として組み合わせて六十四の卦(六十四卦)を作ります。
また、六十四卦の画の(6本の線)のうち、どこにあたるかを求める事で計384通りの結果になり、それを基に信託を読み解いていきます。
八つの要素
自然と人生をあらわす八つの要素
- 天(てん)
- 沢(たく)
- 火(か)
- 雷(らい)
- 風(ふう)
- 水(すい)
- 山(さん)
- 地(ち)
八つの要素を文字に置き換える
八つの要素を文字に置き換える
- 天→乾(けん)
- 沢→兌(だ)
- 火→離(り)
- 雷→震(しん)
- 風→巽(そん)
- 水→坎(かん)
- 山→艮(ごん)
- 地→坤(こん)
この八つの文字は人間界の特徴をあらわす『卦名』と呼ばれるものです。
文字を形に置き換える
文字を形に置き換える
- 乾→☰
- 兌→☱
- 離→☲
- 震→☳
- 巽→☴
- 坎→☵
- 艮→☶
- 坤→☷
この『形』は『陰陽説』に対応しており
- 一本線が『陽』
- 二本線が『陰』
を示しています。
また、易においては陽に偏りすぎるのも陰に偏り過ぎるのも良くないとされ、『中庸』という『偏らない状態』ほど、徳が高いとされます。
六十四卦(ろくじゅうしけ)
この六十四卦で宇宙のほとんどは判断できるとされるため、次の爻を求めず六十四卦で鑑定そのものを完成させることもあります。
変爻(へんこう)
6本の爻(横線)のうち、どの位置を示しているかを指し、物事がどの段階にあるか、を示しています。
下から順に
初爻
二爻
三爻
四爻
五爻
上爻
と言い、時間の経過をあらわしています。
初爻が最も未熟で、上爻が最も成熟した状態です。
ただし、初爻が悪い、上爻が良い、ということではなく、占的(占いたい事柄)次第で、良し悪しは変わります。
易占いのやり方
易占いは基本的に最低でも
- 易占い用に作られた50本の竹『筮竹(ぜいちく)』
- 筮竹を立てておくための『筮筒(ぜいとう)』
- 紀元前から使われていた計算用具『算木(さんぎ)』
の3つが必要です。
安価なものであれば、20,000円程度(もっと安いものもありますが、それなりのものを欲するならこれくらい必要です)
本格的なもの(素材が高級なもの)を揃えようと思ったら100,000円以上になることも珍しくありません。
また、現代の易占いで主に使われているのは
略筮法(りゃくぜいほう)
と呼ばれる方法ですがその上(儀式をしっかりやる方法)に
- 本筮法(ほんぜいほう)
- 中筮法(ちゅうぜいほう)
があります。
また、略筮法をもっと簡略化したやり方に
- サイコロ
- コイン
- イーチンタロット
を使った方法があります。
今回は、主に行われる『略筮法』をお伝えしていきます。
ちなみに、
と思われがちですが、そんなことはありません。
占者が『長い時間集中して気を込めるタイプなのか』それとも『短時間の集中で答えを瞬時に得るタイプなのか』の違いです。
なので、略筮法が得意な占者は、本筮法にすることで的中率が下がりますし、逆に、本筮法が得意な占者が略筮法を使うと的中率が落ちます。
略筮法(りゃくぜいほう)
略筮法
- 50本の筮竹から1本を抜き出し、それを筮筒へ入れる
- 残りの49本を顔の前で扇型に開き、全神経を集中し、二つに割る
- 右手にある方を一度下に置き、その中から一本だけ取り出し、左手の小指と薬指の間に挟む
- 左手の束を八払い(春夏秋冬と唱えながら各2本ずつ計8本を抜き出す)8で割り切れない7本以下になるまで繰り返す
- 指に挟んでいた一本を加えて残った数(1~8)が下の卦(内卦)となる
- 内卦に対応した形を算木を使って机に置く
- 1~5を繰り返し上の卦(外卦)を出し、最初の算木の上部に対応した形を置く
- 六十四卦のうちのどれかが完成する
- もう一度、50本の筮竹から1本を抜き出し、それを筮筒へ入れる
- 残りの49本を顔の前で扇型に開き、全神経を集中し、二つに割る
- 右手にある方を一度下に置き、その中から一本だけ取り出し、左手の小指と薬指の間に挟む
- 左の束を六払いし、6で割り切れない5本以下になるまで繰り返す。
- 指に挟んでいた一本を加えて残った数が『爻』となる
文字での説明ではわかりづらいと思いますので、Youtubeで略筮法の解説を行っている易者の先生の動画を置いておきます。
【無料】易占い
当サイトでも、無料の易占いを提供しています。
易占いをしてみたい方は下記のページへどうぞ。
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【無料】易占い(周易)
周易で今のあなたに必要な言葉を占います。 易占いでは、ハッキリ吉兆が出ますので、怖い結果は聞きたくないと言う方にはオススメできません。 詳しくは易占いの参考記事をご覧ください。 大丈夫な方は【結果を表 ...
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